口に含んだ瞬間〝和風生ケーキ〞とも呼べるようなしっとりとした食感に驚かされる。その後、鼻に抜けるまろやかな焼酎の香り。「天草在住の職人がタッグを組んで生まれた、渾身のケーキなんです」と語るのは菓子職人の清原康史さん。同店で数十年愛され続けている「ブランデーケーキ」の製法をベースに、天草唯一の酒蔵「天草酒造」(明治32年創業)の熟成古酒と、天草産の高級卵、天日塩という〝メインドイン天草〞の素材にこだわって作り上げた。「独特のしっとり、ふわふわ食感を出すために、試行錯誤を繰り返しました」と清原さん。「卵を人肌に温めてから泡立てるなど、細かいところに気を配っています。また、季節によって泡立ての時間や温度も微妙に変えています」と、食感のこだわりは強い。 26年もの長きにわたり、暗い酒樽の中でじっくりと熟成されたまぼろしの古酒を使用するために〝量産はできない〞と語る清原さん。芳醇な香りを放つケーキからは、職人たちの熱い思いと天草という土地の豊かさが感じられる。
有限会社 喜久屋製菓「菓子工房 喜久屋」
〒863-0032
熊本県天草市太田町5-1
TEL:0969-23-4172
FAX:0969-23-4172
http://kikuya.amakusa-web.jp