2018年、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つとしてユネスコの世界文化遺産に登録された河浦地区の﨑津集落。日本古来の宗教とキリスト教が共生し続けるこの土地は、今から約400年前に天正遣欧少年使節によって日本に初めてイチジクがもたらされた地といわれている。「登録を記念して﨑津集落にちなんだ乳菓饅頭を作ろうとひらめきました」と代表の明瀬晴彦さんは話す。完成したのは、バターと卵黄、練乳を練り込んだ白あんを、破けないギリギリの薄さまで延ばした皮で包んで焼き上げた菓子。口にするとバターの香りが鼻に抜け、白あんのさらりとした甘さが舌に広がる。洋のものとも和のものともつかない絶妙な味わいだから、濃いめの日本茶はもちろん、紅茶やコーヒーにも合う。飾り気のない饅頭だが、中にはプチッとした食感ときゅんとした酸味が印象的な﨑津産イチジクのフィリングをしのばせてある。パッケージには郷土の画家・川上謙二さんが描いた﨑津教会の水彩画。心の中で信仰を守り続けた潜伏キリシタンの姿を紡彿とさせる名菓の誕生だ。
天草飴本舗 菓子工房えすぽると
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