”エソ”で作る蒲鉾が店頭に並ぶのは、10月から翌年6月までの8カ月間。「鮮度の良い魚で保存料などを使わずに作るから、期間限定でしか提供できません」と、社長の松下晶一さん。 エソは、天草灘で獲れる白身魚の一種。上品な旨味が特徴だが、生のエソは早く鮮度が落ちるため、蒲鉾の材料に使うのは難しいという。松下さんは高知県でエソの蒲鉾と出合い、「漁業が盛んで港が近い天草なら、エソを新鮮なまま蒲洪に加工できると思いました」と加工法や味付けに使う出汁などを研究。20年ほどかけて完成させた。「エソは、信頼している漁師さんから仕入れています。長く付き合いのある漁協を通じて、鮮度管理が徹底された状態で船から直に受け取っているので、出来上がった商品にも自信があります」。 手作業でエソをさばき、天草産の海塩、エソの煮干しから取った出汁を加える。プリプリとした歯応えがあり、噛むたびにエソの風味とあっさりとした旨味が口に広がる。「アカウニをのせて、ウニの塩気だけで食べるのもおすすめ。磯の香りもより強く感じられます」。天草の海の恵みを凝縮した、貴重な蒲鉾だ。
株式会社 松下蒲鉾店
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